レジリエンスを高めるために大人ができること|おすすめえいご絵本

レジリエンスを高めるために大人ができること|おすすめえいご絵本

朝起きて「なんだか、調子悪いな。このままずっとこの鬱々した気分が続くのかな」と思ったり、「今日も一日がんばるぞー!」とポジティブに思ったり。嫌なことがあった時に「ああ、今日はもうついてないな。悲しい。絶望だ」と思ったり、逆に「まあ、しょうがないよね。きっといいことあるさ」など、だれでも心の声を持っていますよね。

この心の声とは、幼少期にどのような声を周囲の人から聞かされてきたかによって形成されていきます。幼少期に限らず、大人になっても環境にある一定期間身を置くと、周囲の人の影響によってポジティブな心をもつようになったり、逆にネガティブな心の声を持つようになることも、みなさんも経験されているかもしれません。

子供にとっての周囲の人とは、親だけでなく、近所の人、学校、塾、コミュニティ、親戚、多くの人との関わりが集合体となった形成されていくものですが、より長い時間を子供と過ごす親と学校にその多くが委ねられているようでときにプレッシャーを感じています。

一方で、ストレスの多い社会でわたしたち親が子供にとってよい影響のある声がけを日常的にすることが、難しかったりしませんか?わたしたちの言葉は、その時の自分にかかっているストレスや心の状態で左右されてしまうものだなあとしばし反省しています(もちろんこれをコントロールできるまさにレジリエンスの高い方もいます)。

そこで、おすすめしたいの一日5分のえいご絵本の読み聞かせ。素敵なえいご絵本のポジティブなフレーズを読み上げて上げることで、親子でポジティブな心の声を作っていくきっかけにもなります。

 

逆境を乗り越える力、レジリエンスとは

ポジティブな心の声を育てたいというわたしの想いは日々子供にポジティブであってほしいという願いだけでなく、なにか困難に直面した時に、乗り越える力を持っていてほしいという願いから始まりました。

この逆境を乗り越える力をレジリエンスと呼ぶことを4年前に知ったのですが、この力があるかないかで、どういった大人に成長していくかに影響があるとされています。

一つのケースとして、米国テメキュラにあるエンパワーメントセンターのエグゼクティブディレクター、そしてセラピストやスクールソーシャルワーカーの仕事を通じて、多くの若者を助けてきたTeresse Lewis(以下、ルイス)はTED×Temeculaでレジリエンスがあるかないかで、同じ不利な境遇にある子どもでもどのように成長していくかに影響があると語っています。

レジリエンスの低い子供は、仕事を手に入れることが難しい状況に至ったり、また犯罪に手を染めてしまう傾向にあるという研究結果が出ているそうです。逆にレジリエンスが高い子供は、仕事やさまざまな機会に恵まれ、影響力のある人に育っていくことがあったそうです。

彼女自身も、幼少期に虐待をうけて育ったにも関わらず、レジリエンスによって逆境を克服したからこそ、今があると話しています。

  

子供のレジリエンスを高めるために大人ができる4つのこと

レジリエンスは、知能や洞察力、身体的健康、感情調整、忍耐力、ソーシャル・サポートなど様々な要因があるとありますが、逆境からの回復力を高めるためには一重に「人との関係性」が大切です。

ここからは、子どもたちのレジリエンスを高めるために、大人と子供の日常的な関係性の中で効果がある4つのこと(ルイスのスピーチより)を柱に、他研究論文やわたしの体験談、えいご絵本のご紹介とあわせてお話ししていきます。
 

  1. 周りの人の間違いや異なりを許してあげよう

人との違いや異なりに対して許すことが難しい時、それが怒りや不安というネガティブな感情へ引きずられてしまう傾向があります。もし許すことができれば、そこにはもっと温かいお互いにとって生きやすい世界になっていくかもしれません。

人を許す力を鍛錬することで、自分を許す力も育っていきます。失敗や困難な状況に対して落ち込みが低く、回復が早くなるというなによりも自分へのメリットがあります。

どうしても許せないことも、時間をかけたり、相手の気持ちになって考えたり、許すことでお互いにとって幸せであるかもしれないといったような会話を初めてみてはどうでしょうか?

 

  1. 人を頼っていいと伝える

子供が出かける前、学校に行く前、お友達のおうちへ遊びに行く前、塾へ行く前に気軽に「困ったときは、人を頼っていい」と声をかけて上げてみてください。

困った時に、人に助けてということは勇気が入りますし、日本では特に知らない人へ頼ることが難しい状況もあります。

ですが、困った時に「困っている!」という一言をあなたは言っていいのだよと親や身近な人から日常的に言われていることで、子供はオープンマインドになり、自分だけで解決しようというプレッシャーからも開放され、寛容で人を助けることの大切さを理解できることにも繋がり、社会的な関係性を構築しやすくなります。社会性の高さはレジリエンスを高めることに繋がっていきます。

▼ジュースをこぼしてしまったクラスメートを助けたいわたしのお話し

BE KIND|優しさ

 

  1. いつもあなたのことを見ている

誰かが自分のことを気にかけてくれていると知ることで、自己肯定感って上がりますよね。なにが好きか?なにがわからないのか?今日なにをしたのか?ただ隣にいてくれるだけでも嬉しいものですよね。

このえいご絵本を読みながら、登場するうさぎのようにいつもあたなのを気にかけているよ。と伝えてみてはいかがでしょうか。

 

 ▼静かに耳を傾けるうさぎに、悲しいテイラーが心を開いていくストーリー

THE RABBIT LISTENED|耳を傾けるうさぎ

 

  1. 逆境は個人的なものでないし、永遠に続くものでもない

永遠に続くものではなく、誰もが経験する人生の一部であり、楽しさと同じように時たまやってくるものと伝えて上げてください。

偉人の歴史や絵本のストーリーを通して、誰にでも辛いことや困難なことは起きていて、そしてなんとか乗り越えてきていることを伝えてあげることも効果的です。

このえいご絵本は、養子縁組によって出会った母と父と子供が、お互いのちょっと悲しい過去を乗り越えて幸せな「今」を心の繋がりで表現しているストーリーです。

 

 ▼赤ちゃんを授かれなかったお母さんが心の娘と出会えたストーリー

In My Heart (外部リンクへ飛びます)

 

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 国際バカロレアのカリキュラムでは、目指す人物像の一つに「リスクテイカー」とあります。日本でもスタートアップ元年である流れから、失敗を恐れずに挑戦していこう!といった人物像が未来人材ビジョン(経産省)にも描かれていました。

親世代は失敗よりも失敗しない力が重要視されてきた中で、わたしたち自身が失敗を恐れない子供へ育てる方法を知らないままに世の中は変化してきています。

レジリエンスが作り上げられていない子供にとって失敗はとても怖いものです。一度落ち込んだらなかなか回復してこれないものですし、子供の生まれ持った特徴によってはもっと長い期間厳しい状況下に置かれる可能性もあります。

時代が変化し、リスクテイカーの時代がやってきてしまった今、わたしたちが子供たちにできるシンプルなこの4つの声がけと姿勢が、「失敗が怖い」子供から「失敗してもいいや!次また頑張るぞ!」と思えるような探究心や好奇心の種まきを一緒にして上げられたらなと思います。

 

 

【参考元】
https://www.youtube.com/watch?v=G_3cvSZiFVs
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep/60/4/60_343/_pdf/-char/ja