読書を習慣化するといいことってなに?

読書を習慣化するといいことってなに?

 

私たちは子供の頃から、本を読むことは良い習慣で、読書を継続していくようにと当然のように言われてきています。ここでは、改めて「なぜ本を読むことが人生において大切なのか」を考えてみようと思っています。

 

誰も助けてくれないときもある。でも本はいつでもそこにある

わたしは幼少期から高校卒業まで、日本の田舎街に住んでおり、厳しい親元で育ったためなかなか新しい体験をする場所や機会にめぐりあうことができませんでした。

その当時出会った一冊の海外書籍は、わたしの唯一のワクワクであり、時間を忘れて楽しめる時間だったことを覚えています。その本には、心理学、ミステリー、人生、みたことのない海外の風景描写などたくさんのエッセンスが詰まっていました。想像力が膨らみ、あたかもその空間に自分が存在しているかのような、リアルな世界を体験させてくれました。

社会人になり仕事に行き詰まり、人生の目的を見失いそうになったときに助けてくれたのも、友人や恩師や家族ではなく、本であったことがあります。世界の100人の名言が詰まった本でした。先人たちの経験と熟慮を重ねて生まれた本質的なフレーズの数々は、ちっぽけなことで悩んでいたわたしを「もっと生きろ!」と励ましてくれたことを覚えています。

本は、時空を超え必要なときに必要な人へ届き、そして人生の指針さえ教えてくれる素晴らしいツールでした。

2000円ほどの投資で、自分がこれまで出会うことができなかった新しい世界に触れ、知識を得、学ぶ喜びや探求心を取り戻すことができます。


そんな体験から、自分の子供がなにかの困難に直面したときに、誰にも助けてもらえない環境にいたとしても、本が大切な役割を果たすものであって欲しいと願い、0歳時からの読み聞かせを続けてきました。

読み聞かせや読書が、わたしたちのコミュニケーションや理解を深めるための基本的な土台となるだけでなくて、物語を読むことには、わたしたちの想像をはるかに超える利点があります。

ここでは、私たちが本を読むことで起こり得るいくつかの重要な成果を、海外の文献を参照したリサーチをもとにご紹介していきます。

 

本を読む習慣によるメリットとは

 

  1. 本を読むと脳が健康になる

脳にとって最高の相棒は、本だと考えられています。認知症やアルツハイマーなどの疾患を予防するほか、脳の血流を促進します。多読は脳の健康維持に役立つのです。さらに、認知機能の発達を助け、記憶力を大きく向上させます。さらに、人の分析能力の成長も助けると言われています。

 

  1. 本は自己学習の習慣化に役立つ

学ぶことに熱心な人にとって、本は最高の友であり先生ですね。自宅にいながら、世界中の異なる文化や歴史を理解することができるのは、大きな利点です。

新しい言語を学ぶことは、間違いなく人生の向上と進歩に役立っていきます。伝記、歴史、問題解決、料理など、数え切れないほどのジャンルの本があり、そこから膨大な知識を得ることができます。

 

  1. 本は創造性と想像力の扉を開く

夢の世界に入り込み、創造力を伸ばすには、本が役立ちます。読書によって、人は創造力を刺激され、新しいアイデアに心開くことができます。

世界の偉大な科学者たちは、宇宙の科学的パズルを解くためのインスピレーションの源として、科学やテクノロジーに関する本を挙げています。読書は、ワクワクするファンタジーの世界を開いてくれます。

私たちの心は読書によって意識がモチベートされ、視野も広がります。また、斬新な可能性や概念に対しても、よりオープンな思考をすることができるようになります。


さらには、良い本や小説を読むと、リラックスする効果もあります。日常の課題を忘れ、想像力を自由に働かせることができるからです。

 

  1. 良い読者は良い作家でもある 

自分の考えを言葉で表現し、紙に書き出すことは芸術だとも考えられています。人の人格形成に大きな影響を与えるとも言われています。

特に作家は、自分の仕事のために読書が必要不可欠であると言われています。趣味で文章を書いている人でも、読書は総合的な能力を著しく向上させることが証明されており、作家の文章は、彼らの読書経験からインスピレーションを受けたものとも言えます。

自分の考えや想いを言語化するための基盤として読書は役に立ちます。

 

  1. 本を読むとやる気が出る 

インスピレーションを得るのに最も効果的な方法のひとつが、本を読むことであると言われています。

本屋にいけば、最も困難な状況でもヒーローとなった人々を描いた本があふれていますよね。架空の人物も実在の人物も、こうしたヒロイズムに関する小説の中に登場することがあり、このような本を読むことで、人は強く、前向きに生きていこうというやる気を手にすることができるのです。

 

  1. 読書はストレスや不安の解消になる

健康な心の最大の敵は、ストレスと不安です。

現代において、これらの問題に対処することは非常に困難です。生活習慣、仕事、仲間からのプレッシャーなどで、緊張の度合いがかなり高くなっています。

そんなとき、SFや恋愛、回想録などの本は、知識を与えてくれる上、ストレス解消にもなっています。

 

  1. 読書はコミュニケーション能力を高める

本を読むことで、語彙やコミュニケーション能力を高めることができることは言わずもがなです。読書は言語能力を向上させ、自分の考えを表現したり、伝えたりすることを容易にしてくれます。

未来人材においても、多くの分野で熟練したコミュニケーションが求められています。コミュニケーション能力の高い人は、そうでない人よりも優秀な人材であると認められる機会が高まると言われています。


  1. 本を読むと、集中力が高まる 

テクノロジーが発達した現代社会では、映画や情報サイト、無意味な記事を読んだりと、1日のかなりの時間をオンライン活動に費やしています。質の高いコンテンツが少ないため、人々は注意力を失い、よりせっかちになっているのです。

集中力を高めるポジティブな習慣とは、質の高い文献を読むことです。

ある研究では、小説を読むことは、読書の質の改善と、得た情報の処理能力の向上に影響を与えることが分かっています。

  1. 読書は語彙を増やすのに役立つ 

大人になっても、本を読んでいると、今まで知らなかった新しい言葉に出会うことがあります。その意味を探ろうとすることで、結果的に知識を得ることができるのです。言葉や言い回し、文体も読んでいるうちに分かってくるようになります。言葉やフレーズの蓄積によって分析できるようになってくるんですね。

 

読書で自己学習がワクワクの時間へ

世界の価値観をイラストや文字で学び、さまざまな角度からの理解を深めてくれる読書は、人生の問題に対する多くの解決策を与え、自分で決断を下すための手助けをしてくれると感じています。

子供に読書の習慣を身につけてもらうために初めた0歳時からの絵本の読み聞かせは、親子で新しい世界に一緒に飛び込む特別な時間で、幸せを象徴する時間でもあります。

読書に対するポジティブな気持ちを醸成してあげることで、自然に本を手に取るようになり、自己学習を楽しみながら成長してくれているように感じます。

 

 


【参考文献】