インド えいご絵本

ダイバースな価値観を!「違いを知る」ためのえいご絵本選び

世界には様々な価値観が存在することを知り、その違いを受け入れることで、一人ひとりが生きやすくなる世界を目指すダイバーシティ&インクルージョンというコンセプト。世界的に注目を集めており、日本でもその流れを汲んだ未来人材設計が始まっていますね。

 一方で、日本は多言語や多宗教、これに紐づく多文化に関わる機会が少ないため、幼少期に多様な価値観を創出することが難しい環境でもあります。

そこでおすすめなのがえいご絵本です。視覚的に、そしてストーリーから多様な文化や人種に触れることができます。幼少期から異なるものに継続的に触れることで、偏見につながる集団間の不安を軽減できることが分かっています。 

現代の子供たちは、将来日本以外の人々とつながる機会が多いことが予想されます。彼らが自信を持って世界へ羽ばたける素地は、えいご絵本との触れ合いから始まるかもしれません。

ここでは、「違いを知る」ために役立つえいご絵本の選書方法やすすめ方についてご紹介していきます。 

 

親子で育む「違い」を受け入れるマインドセット

違いを尊重する土台作り

多様な価値観に触れる過程で、子どもたちが否定的な意見ばかりを持ってしまわないよう、違いを楽しむ好奇心や、違いを尊重する土台を持っていることが大切です。一人一人が違っていい、あなたはあなたらしくていいというメッセージがこもったこちらのえいご絵本がおすすめです。

▼自己肯定感と好奇心を育む、おすすめえいご絵本

Be you|あなたらしく

 

読み手もマインドセット、全ての絵本が正しいわけではない

世の中に出版されているえいご絵本が全て素晴らしいとは限りません。批判的思考を忘れずに読書に取り組みましょう。

本当にこの表現や正しいのか?と、子どもたちと一緒に本を分析する批判的思考力を育てるきっかけにもなりますね。

読みながら、特定の表現について問題点を見つけたら、子どもが理解できる言葉ではっきりと指摘することをためらわないというマインドセットを。

 

「違い」を知る、学べるえいご絵本選び

「お祭り」などを題材にしたタイトルはおすすめ

BIPOC(バイポック)の子どもが登場する絵本は、日本では体験することのない国際的な日常生活への理解を促します。

* BIPOC = Black, indigenous and people of colourの略称。B = Black(黒人)、I = Indigenous(先住民)、POC = People Of Color(有色人種)の3つの用語の頭文字を取った用語で人種的マイノリティを指す。 

▼世界のお祭りから違いを学べるえいご絵本

We all Celebrate!|世界中のお祭りを知ろう

▼13のお祭りから違いを学べるえいご絵本

Let's Celebrate!: Special Days Around the World|お祝いをしよう!世界中のスペシャルデー

 

服や食、住まい、家族などのトピックから違いを学べるえいご絵本

All About Diversity (Amazon Japanのサイトへ遷移します)

文字量が多めですが、ダイバーシティを学ぶ辞典として自宅に1冊あると◎

 

誰がそのストーリーで権力を持っているのか

誰がそのストーリーを語っているのかは大切です。そのストーリーでは誰が権力を持っているかを考えてみましょう。これは、登場人物以上に大切な視点です。

例えば、白人が主人公で、BIPOC(バイポック)が背景的なキャラクターとして登場する絵本は、彼らが白人の生活や経験に付随するものでしかないと捉えられかねません。間違ったメッセージを子供が受け取ってしまわないよう、注意が必要ですね。

 

そもそも、えいご絵本のストーリーは面白いのか

えいご絵本を選ぶときに大切な以下のチェックリストを参考にしてみてください。

  • 子供だけでなく、あなたも心が動かされる魅力的なストーリーか?
  • 子どもにとって、意味のあるテーマやトピックか?
  • 生き生きとした言葉選び、イメージ、キャラクターなど、子どもたちが何かを感じられるような内容か?
  • 子供がもっている今の知識や経験の上に積み重ねて、子供が理解できる内容か?

 

普遍的なえいご絵本選書のコツ

ステレオタイプやネガティブな描写のある絵本は避け、共感できる登場人物が描かれていたり、お気に入りの著者やイラストレーターによって描かれたえいご絵本がおすすめです。

絵本を手にとったら、まずは著者やイラストレーターの背景にも目を向けてみましょう。彼らの伝えたいことがストーリーとシンクロして語られているか、という視点で選書を楽しんでみてくださいね。

 

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ハロー・ワールドでは、今後もダイバーシティ&インクルージョンをトピックとしたえいご絵本を紹介していく予定です。最新入荷情報の情報をタイムリーに知りたい方はニュースレターへのご登録をお願いいたします。

 

▼参考文献
https://www.embracerace.org/resources/8-tips-for-choosing-good-picture-books-featuring-diverse-bipoc-characters

 

 

Suguri Mikami

著者:見上すぐり

金融機関、マーケティング支援会社を経て、インドでデジタルマーケティングエージェンシーを創業。子供がアクティブラーナーを育てるためにえいご絵本の読み聞かせを0歳からはじめたことがきっかけで、えいご絵本の世界が大好きに。800冊以上のえいご絵本と猫4匹に囲まれて暮らしています。音楽と動物、自然が大好き。