
D&I( ダイバーシティ&インクルージョン)おすすめえいご絵本|世界には違った「当たり前」がある。自分らしい生き方を見つけよう
昨今世界的に取り上げられていることば「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」。よく耳にはするけれども、なかなか普段の生活では身を持って体験することは少ないかもしれません。
ここでは、幼少期からえいご絵本を通してD&Iという考え方を知ることで、どのようにより豊かな人生を創造できるのかを紹介します。最後に、おすすめ2冊を取り上げました。
なぜ今「D&I (ダイバーシティ&インクルージョン)」が必要なのか
D&Iは「多様性を包括する」という意味から、「それぞれが自分らしく生きる」という意味に進化してきていると、D&I推進プロジェクトに関わるコンサルファームの方がおっしゃっていました。
そんなゴールのプロセスにはたくさんのポジティブな面があり、いくつかをここでご紹介したいと思います。
より広く深い洞察力と思考力を養う
クイーンズ大学シャーロット校が実施した調査によると、多文化に触れることでより多くのことを達成し、より熱心に取り組むようになるそうです。また、トピックが自身のバックグラウンドを反映している場合、さまざまな視点から課題を探究することで、より深い考察をします。こうしてより広く深い洞察力と思考力を養います。
クリエイティビティの醸成
多文化を理解し受け入れることで、クリエイティビティの幅が広がります。普段の生活では触れることのないアイデアや価値観に触れることで、柔軟な思考を可能にします。
さまざまな価値観を受け入れる協調性を育む
個人のさまざまな「違い」を知ることで、チームで協力しあう協調性を養います。現代の子供たちは、将来グローバルなメンバーと仕事をする可能性が非常に高まっています。課題に直面した時に批判的思考を持たず、世界の人々と協力し課題解決に向かう姿勢を育みます。
偏見を持たない柔軟な心を養う
異文化や新しい価値観に対峙した時に寛容な気持ちでそれらを受容できると、自分自身も社会に受け入れられている、という安心感を育むと言われています。
柔軟な思考をもつグローバル人材に
世界的にグローバル化が加速する現代、多くのビジネスで多様性を受け入れられる人材が不可欠になっています。これは、順応性があり、オープンマインドで、複数の言語を話し、異なる文化にふれた経験があることを意味しています。
のびのびと自分らしく生きるための、新しい価値観との出会い
わたしは中学に進学したころから、漠然と世界の経済格差に関心を持ち始め、地元のコミュニティが開催する海外ボランティアツアーに参加しました。タイの田舎に2週間ホームステイをし、当たり前だと思っていた自分のジェンダー観を180度覆される体験をしました。
女の子が、女の子と恋をし
男の子が、男の子と恋をする
日本の学校では目にすることのなかった世界が広がっていました。タイには18種の性が存在すると言われています。誰もそれらに嫌悪感を示さず、否定することもなく、それぞれが生きたいように生きていて、その開放的な価値観に憧れさえ抱きました。
思い返せば、わたしも男の子のファッションや言葉遣いに憧れたり、女の子のことが気になったりした瞬間がありました。誰かに否定されたわけでもないのですが、幼いながらも周りの目を気にして、気持ちを封じ込めた記憶があります。
見た目や思想が人と違うことは当たり前であるはずなのに、社会のマジョリティや一般論に「らしさ」を抑圧され自分らしく生きられない、という窮屈さからは解放されるべきだと思うようになりました。
クラスにいる友達の肌の色や母国語、食べているものがみんな違っていたら、それらは当たり前になり、「違い」に対して今よりも寛容になれるのではないでしょうか。さらに、幼少期にそんな価値観や世界観に触れることで、今後進んでいくであろうクロスボーダーな社会に溶け込むことへの抵抗も減らせるのではないだろうかと考えています。
多様性溢れる環境を実際に体験することは難しくても、いつも私たちのそばにある絵本であれば、見える世界を広げてくれます。はじめての新しい価値観との出会いに、おすすめしたいツールです。
D&Iな世界観を体験できるおすすめえいご絵本
▼思想、人種、文化など幅広いカテゴリーの多様性について描かれたおすすめえいご絵本
イラストがページいっぱいに散りばめられており、眺めているだけでもワクワクします。ダイバーシティについて理解を深める親向けのページもあり、初めてのD&Iえいご絵本としておすすめしたい一冊です。
All About Diversity (外部リンクに飛びます)

▼勇気を出して自分らしさを人に伝えることの大切さが描かれたおすすめえいご絵本
人との違いを受け入れられず非難される少女が、自分のバックグラウンドを周りに共有することで窮屈さから解放され、新しい世界を見つけるストーリーです。誰もが一度は学校で直面する悩みに優しく寄り添ってくれる一冊です。
The day you begin (外部リンクに飛びます)

今海外に行くことは難しくても、えいご絵本であれば、異国で描かれたイラストや、異なる世界観を親子で垣間見ることができます。日本にいながら海外の価値観にふれ、より豊かな人生を送ることができると信じています。
著者:荻野まりな
農業系ベンチャー企業を経て、インドでデジタルマーケティングエージェンシーに入社。D&I(ダイバーシティ& インクルージョン)などの、多様性を受け入れる柔軟なカルチャーに興味を持っています。好きな絵本は「くまのコールテンくん」。インドから素敵なえいご絵本をみなさまに届けます!